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第11回 バックヤード・パーティー (最終回)

やっと、嵐のようなセカンド・セット (素人演芸大会?) も終わり、ボチボチ太陽が沈みはじめる頃、俺たちのセカンド・セット (ほんとは3rdっ!) をスタートした。2002年に発表した我々のCD、「ダウン・バイ・ザ・リヴァーサイド / Down by The
Riverside」の収録曲順どうりに一曲目から真剣に演奏した。来客たちはあの大音響の中、デザートも食べ終わり、やっとカクテル・アワーでゆっくりとリラックスしたムードになっていた。

そんな空気の流れる中、オレたちは打算ぬきで丁寧に演奏した。一曲終わるたびにジェームスが、簡単な曲の説明と歴史的背景などを話し、来客たちの軽いインテリジェンスを刺激する。
「だてに年食ってねーなっ!ジェームスっ!」などとオレは彼を尊敬する。
とは言え、ジェームスにとっては朝飯前なことなのだが・・・

2〜3曲演奏し終えた頃、「丁寧な演奏」、「ジェームスのMC」の努力の介もあり、徐々に聞き入ってくれる人たちも見受けられてきた。やはり「聞いてくれる」と言う尊い行為はオレたちの演奏をスムースにさせる。更に曲を進行させて、セットの半ばまで来ると、多くの人が拍手してくれるまでになった。主催者の女性もさっき知り合ったロビンもいい感じでオレたちの演奏に身をゆだねている。パティオの方では、曲によって踊り出す人もいる。オレはアメリカ人のこのようなストレートな感覚が大好きだ。ノッテくれば年齢に関係なく踊ってくれるし、バンドがその人たちにとってつまらないモノならその場を立ち去ってしまう。「御つきあい」は無しだ。

オレたちはノリノリで、一気に最後の曲まで演奏した。最後の曲は当然シャッフルのブギーで閉めた。その頃にはほとんどの来客たちが踊ってくれて (結構皆、酔ってきたと言うこともあるのだが・・) パーティーは最高調に達した。ラッキーにもアンコールがあったので、今一度、主催者の好きな「キャンドヒート」の曲を演奏し、サービスした。

ショーの後、何人かの音楽好きのコスチュマー達と「社交だっ!」と思い、軽く飲みながら、探りを入れようと企んではみたが、その時点で、オレには「営業活動」など、もうどーでも良くなっていた。アレ程、気張って来たGIG だったが、気持ち良く演 (ヤ) れた後は、ただ流されるのもいい。



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