V.A. / Blues At Midnight -
            Live at the Attic 
            (No Cover Productions NCP-011) | 
           
         
        
          
            
              - The Butler Twins : Mean Old World
              
 - Willie D. Warren : Merry Christmas Baby
              
 - Ms. Cathy Davis : Wang Dang Doodle
              
 - Willie D. Warren : How Blue Can You Get
              
 - Johnny "Yard Dog" Jones : Down The Road I Go
              
 - Louisiana Heat : Think
              
 - The Butler Twins : Blues At Midnight
              
 - Uncle Jessie White : It Hurts Me Too
              
 - Ms. Cathy Davis : Hip Shakin Mama
              
 - Johnny "Yard Dog" Jones : Damn Good Mojo
            
  
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      デトロイト・ブルース・シーンを紹介したコンピレーションを幾つか発売してきたNo Coverだが、これはとびきり渋い! 
      最年少が、1954年生まれのキャッシー・デイヴィス。最年長は1920年生まれのアンクル・ジェシー・ホワイトというベテランだけを集めた、1996年のニューイヤー・イヴのライブの模様を記録したアルバムだ。 
      既に、JSPからアルバムを発表していたバトラー・ツインズによるシカゴ・スタイルの(1)で幕を開ける。リトル・ウォルターを意識しながらも枯れた味わいが魅力のクラレンスのハーモニカが光る好演だ。 
      ウイリー D. ウォーレンも持ち前のクールなヴォーカルとギターで聴く者を引きつける。曲はご存知チャールズ・ブラウンの(2)と、B.B.
      キングで有名な(4)。1924年生まれながら、モダンな感覚を持ったブルースマンだ。もっともB.B. キングと同世代なので不思議ではないのだが。 
      同年、ソロ・アルバムを発表し、売り出し中だったジョニー "ヤード・ドッグ" ジョーンズも元気なところを見せている。ハーピストでありながら、O.V.
      ライトやスピリット・オブ・メンフィスらに影響を受けた彼は、モダンな世界を展開する。Earwigからのソロ・アルバムは、シカゴ勢をバックにトラディショナルなシカゴスタイルを貫いていたため、それほど印象に残るアルバムではなかった。ここでの姿が、彼本来の持ち味なのであろう。 
      詳しいインフォがないルイジアナ・ヒートや、危うい魅力を持つアンクル・ジェシー・ホワイトに挟まれ、The Curtis Sumter Projectでソウルフルなヴォーカルを聴かせているキャッシー・デイヴィスの熱演が光る。ココ・テイラーの代表曲(3)やThe
      Curtis Sumter Projectでも再演した自作の(9)で観客を煽る煽る。演奏中に新年を迎えたのか、「ハッピー・ニューイヤー!」というMCに観客の声援も最高潮に盛り上がる。 
      このアルバムは、発売後数年経って日本にも少数だが流通し、BSR誌33号でも取り上げられた。 
      リビュアーの評価は芳しくなかったが、あまりの「B級」ゆえ、好みが別れるのは当たり前だろう。 
      ただ私は、この様な「B級ブルースマン」が1970年代から80年代の「ブルース受難の時代」を乗り切り、1990年代のデトロイト・ブルース・シーンの活性化に貢献したことに敬意を表するし、「没個性」と言われようが、変わらぬスタイルで活き活きとプレイする彼らに、心からの拍手を送りたい。 
      そして、その瞬間を記録したこのアルバムを、いつまでも愛し続けるであろう。 
      試聴は、こちら。 
      入手先 
      apple Jamさんに近日入荷予定です。 
      No Cover Productions 
       
      
        
          V.A. / Uncut Detroit - Live
            Blues in the Night 
            (Venture Records HFC-52297) | 
           
         
        
          
            
              - Lazy Lester with Doug Deming and The Blue Suit Blues Band
              : Sugar Coated Love
              
 - Bluecat : Delta Bound
              
 - Johnnie Bassett and The Blues Insurgents : If The Shoe Was
              On The Other Foot
              
 - Lady Sunshine and The X Band : Thang For You
              
 - Mudpuppy : Use Me
              
 - Hastings Street Blues Band : Get Off My Back
              
 - Johnny Yard Dog Jones with The Blue Suit Blues Band : Who's
              Gonna Be Your Sweet Man When I'm Gone?
              
 - Motor City Josh & The Big 3 : Someone Else Is Getting
              That Good Thing
              
 - Chisel Bros. with Mimi Harris : I Can Stand A Little Rain
            
  
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      デトロイト近郊のディアボーンにあるヘンリー・フォード・コミュニティ・カレッジ内のラジオ・ステーションWHFR-FMから、「Highway
      61」というブルース番組を流し続けているJo Ann Korczynska女史の呼びかけで行われた、1997年のライブの模様を収録したアルバム。Jo
      Annさんは、作家、ディレクター、プロデューサーとして活躍し、デトロイトのブルース・シーンを裏から支えてきた人である。 
      彼女は、ライナー・ノーツで言う。 
      
        モータウンが全国を席巻するまでブルースはデトロイトでもっともポピュラーな音楽でした。 
        ブルースはデトロイトの一画でひっそりと生き延びましたが、非常にゆっくりとしたスピードではあったけど復活を遂げました。 
        今日、ブルースはデトロイトでも非常にポピュラーな音楽です。そして数人はアメリカでも非常に著名な人たちです。そして、その才能溢れる彼らを記録することができ光栄に思います。  
      このアルバムを手にした時に驚いたのが、レイジー・レスターが参加していたことである。当時はまだ死亡説が流されており、ルイジアナからのニュースにも彼の名前が出ることが全くなかったからである。しかし実際には、彼は1975年から断続的にデトロイトに住んでおり、自動車工場で働いていたという。1980年代にはブルー・ホライゾンやキング・スネーク(アリゲーター)から復帰作を発表していたが、この時点まで全く消息不明の状態であった。 
      デトロイトのブルース雑誌が彼の特集を組んだり、このアルバムが発表されたのを受けて、翌1998年にアントンズからソロ・アルバムが発表されたのであった。 
      前置きが長くなった。まずはレイジー・レスターが登場する。彼の歌・ハーモニカ共に好調だ。しかしバンドが辛い。彼の軽やかな雰囲気に反して重すぎるのだ。久しぶりに元気な姿を聴けたことは嬉しいが、アントンズからのアルバムが出ている現在では、そのうれしさも半減。彼の復活のきっかけを作った録音として記憶に留めておこう。 
      ベテランの(3)は安定した演奏を聴かせてくれるが、同じベテランでも、全く「間」のないハーモニカを聴かせる(8)はちょっときつい。 
      地元デトロイトで人気の女性シンガー(4)、(7)、(10)などはそれぞれの個性が聴けて充分楽しめるし、個性派集団(5)も好調だ。 
      若手の健闘も光るが、何と言っても頭抜けているのは(9)。キーボードがちょっとトロいし、ドラムももうちょっと頑張って欲しいが、それを差し引いてもジョシュのギターとボーカルは他の追従を許さない。 
      色々欠点もあるが、さすがにデトロイト・ブルース・シーンを裏から支えていた人がチョイスしたアルバム。バラエティに富んだライブ盤となっている。 
      
  
      
        
          V.A. / Uncut Detroit II 
            (Venture Records HFC-10799) | 
           
         
        
          
            
              - Priscilla Price and The Kenny Miller Band : Crazy To Care
              
 - Priscilla Price and The Kenny Miller Band : Mighty Big Shoes
              To Fill
              
 - The Alligators : Cryin' For My Baby
              
 - The Alligators : My Little Girl
              
 - Al Hill and The Love Butlers : Nothing I Can Do
              
 - Al Hill and The Love Butlers : Cadillac Boogie
              
 - Alberta Adams and R.J.'s Blues Crew : He May Be Your Man
              
 - Alberta Adams and R.J.'s Blues Crew : Remember Me
              
 - The Butler Twins : Hey Baby Don't You Know Your Daddy Loves
              You So
              
 - The Butler Twins : I Ain't Got Nobody To Tell My Troubles
              To
              
 - Mystery Train featuring Jim McCarty : As The Years Go Passing
              By
              
 - Mystery Train featuring Jim McCarty : You Got To Help Me
 
              
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      Jo Ann Korczynska女史制作によるライブアルバムの第二集。前作同様ヘンリー・フォード・コミュニティ・カレッジのキャンパスに於いて1999年に録音されたものだ。 
      ケニー・ミラー・バンドを従えたプリシラ・プライスで幕を開ける本作。バンドはタイトだし、1960年代から活動し、1997年にはソロ作を発表したプリシラ嬢も気持ちのいい歌を聴かせてくれる。オープニングにはピッタリのリラックスした演奏だ。 
      続くアリゲーターズも活動歴は長く、既に3枚のアルバムを出しているグループだ。がなり気味のヴォーカルとロック臭さが私の趣味ではないが、バンドとしてのまとまりはさすが。同じ「白人臭さ」を残していても、次に登場するアル・ヒルは、キーボードの人らしくニューオリンズ風R&Bとジャンプ・サウンドで楽しませてくれる。デトロイトにはビル・ヘイドという絶対の白人キーボーディストがいるが、負けず劣らず健闘している。 
      そして、遅れてきた新人歌手アルバータ・アダムスが登場。1940年代からデューク・エリントンらと活動を共にし、1953年にはチェスにも録音があるが、ソロ・アルバムは1999年になってから初めて発表された超遅咲きシンガーである。さすがに年季の入った歌を聴かせてくれる。ソロ作でのジョニー・バセット・バンドのバックアップも良かったが、ここでのR.J.'s
      Blues Crewのサポートもなかなかのもの。 
      バトラー・トゥインズは、良くも悪くもいつものバトラー節。ただギターのケニー・パーカーを始め、バンドのメンバーがソロ作のとは全く違うので、若干違和感を感じるか。 
      ラストを飾るのは、これまた1960年代から活動する白人ベテラン・ギターリストのジム・マッカーシーをフューチャーしたミステリー・トレイン。ご存知アルバート・キングとサニー・ボーイIIのカヴァーだが、さすがのプレイを聴かせてくれる。タイトなバンドをバックにジムのギターとケニー・ウェルクのハーモニカが絡みあう。このケニーという人のハーモニカがなかなかのもの。チャーリー・マッセルホワイトのファンなら絶対に好きになるタイプの人だ。 
      第一集に引き続き、ベテランから若手までデトロイト・ローカルのショー・ケースのようなアルバム。彼の地の底力を感じさせる素晴らしいライブ盤だ。 
       
      
       
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