モーター・シティ・ジョシュ、本名ジョシュア・フォードは、1971年12月24日のクリスマスイブにデトロイトに生まれた。両親が救世軍のオフィサーをやっていた関係で、フロリダやジョージアなどを転々とし、再びデトロイトに戻ってきたのはティーン・ネイジャーの頃であったという。 そんなジョシュが作った最初のアルバムが、今回紹介する"Living Like A King In The
Ghetto"である。 気持ちのいいオルガンが印象的なバラード"Real Love"からこのアルバムは始まる。ソウルと言うより、むしろ良質なサザン・ロックを聴いているようだ。無理にがなっていないボーカルにも好感を持てるが、テレキャスターから繰り出されるジョシュのギターが良く歌っている。否が応にも期待が膨らむオープニングである。 ジョシュの友人でもある菊田俊介氏の話によると、彼は時間が取れると友人と共にアメリカ全土を廻ってブルース・クラブ巡りをするほどのブルース好きであるらしい。シカゴにも二ヶ月に一回は現れてシットインしていったという。 追記 1996年作品 入手先
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Going To The Country (No Cover Productions NCP-009) |
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ファースト・アルバムにおいて、自己の音楽遍歴の集大成とも言える非常に完成度の高い作品を作ってしまったモーター・シティ・ジョシュ。 注:下記のリンクから、試聴ができます。 このアルバムは、ジョシュの2作目のアルバムとして1998年に発表された。一部を除いて前作とはバック・メンバーが替わっているが、プロデュースはジョシュとマイク・ボウランのコンビで、ファーストと同じである。特筆すべきは全曲彼のオリジナルだということだ。前作でも2曲を除いて彼のペンによるものであったが、ソング・ライターとしての才能もいかんなく発揮している。 サザン・ロック風のスライドギターが冴え渡る"Going To The Country"からこのアルバムは始まる。釣りとハンティングをこよなく愛するジョシュらしい内容のミディアム・テンポの曲である。いかにも「白人らしい」スライドは私の趣味ではないが、かといって弾きすぎるわけではなくいい感じではある。 追記 1998年作品 入手先
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Live In Atlanta (No Cover Productions NCP-015) |
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Josh Ford-Guitar, Vocals and Pure Energy |
1999年にデトロイトからアトランタに居を移し、年間300本を越えるギグと釣りを楽しむジョシュ。菊田俊介氏によると、トゥルーディー・リンやサンドラ・ホールもアトランタに拠点を移し、彼の地のシーンは大きな盛り上がりを見せているという。 デトロイト時代から、ジョシュのバンドは、Motor City Josh and The Big 3と名乗っていたが、アルバム名義は、Motor City Joshであった。しかし今回は、The Big 3の名前もきちんとクレジットされている。それだけ、新生The Big 3とのコンビネーションに自信を持っているのであろう。 オープニングは、セカンド・アルバムに収録されていた"I'm Good"を改作した"Like
A Rooster On A Hen"。自分の作品を改作するのも珍しいが、歌詞が微妙に変えられている。アトランタに移って心境の変化でもあったのだろうか。ミディアム・テンポのグルーブがメチャクチャ気持ちがいい。 アトランタに移り、素晴らしいバンドとファンを手に入れたジョシュ。このライブ・アルバムは、そんな彼の充実ぶりがストレートに伝わってくるものと言えよう。 2001年作品 入手先
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Acousticly Sound 1995-2001 (No Cover Productions NCP-021) |
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前作のライブ盤が出た時点で「次はアコースティック・アルバムだ」と語っていたジョシュ。そのアルバムが2001年12月に発売となった。タイトルにもあるように、1995年から2001年までの間に録り貯めた14曲が収録されている。 アルバムは、どこかで聴いたことがあるような「デルタ風」のギターのイントロで始まる。そのまま「あの」印象的なリフに突入して、ジミー・リードの"Big
Boss Man"をかなり早めのテンポで歌い始める。歌詞も若干変えているようだ。オシャレなコード進行を取り入れた"I'm
Ready"。スライド・ギターでのエルモア・メドレー("Shake Your Money Maker"〜"The
Sky Is Cryin'")では、前者はオリジナルにほぼ忠実にプレイするも、後者はグッとテンポを落として独自の世界を展開している。 地味といえば地味なこのCD。ジョシュのアルバムの中で最初に聴くべきものではないであろう。しかし何度も言うように、ただブルースのスタンダードをアンプラグドで演奏したという類のものではない。ジョシュのアイディアがいっぱい詰まった楽しいアコースティック・アルバムだ。 No Cover Productionsの担当者によると、次作はジム・マッカーティー(ミステリー・トレイン/デトロイト・ブルース・バンド)との共演作だという。デトロイト・ブルース・シーンの大物との共演はどの様な効果を生みだしたのであろうか。本当に彼からは目が離せない。 ちなみに、彼のウェブサイトによると「このアルバムには、子供に適さない歌詞を含んでいるかも知れません」という表記があります。よい子の皆さんは、訳さないようにしてください(^^;; 2001年作品 入手先
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Stringer Full Of Blues Vol.1 (oMo BlueStar Music Group OR-70002) |
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10月の半ばのことであったが、ジョシュからこんなメールが来た。 "I have a new CD out now that I think is my best sounding CD so far !!!" 早速、彼のウェブ・サイトをのぞいてみると、いやー、笑った笑った。あまりにもバカバカしいジャケットに腹を抱えて笑ってしまった。 それにしても、このアルバムに対する彼の意気込みは凄い。全てオリジナル作品を揃えたのだから。しかも前作発表後に新作をレコーディングしているなんて話は聞かなかったから、短期間に作曲し録音してしまったのであろう。 シャッフル、ブギ、アコースティック・ナンバー、スローと続いた後に、カレブの歌うカントリー・チューン!いつもながら感心させられるアルバムの流れとアレンジの妙。1stアルバムでは、クラレンス・バトラーのハーモニカをフューチャーしたアコースティック・ブルース仕立てだった(8)も、ここではサビ付きのロックンロールに生まれ変わっている。 毎回、色々な意味で驚かせてくれるジョシュ。 2002年作品 入手先
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