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初めて彼の"I Got To"を聴いたとき、その美しいイントロとソウルフルなボーカルが私の琴線に触れた。彼のウェブ・サイトを訪問し、アルバム収録曲を試聴した時のことだ。 「私は、木材伐採場にあったホンキー・トンク(中西部に多くあった安酒場。バレルハウスとほぼ同じ様なもの)で演奏されていたダンス・ミュージックから多くのものを学んだ。私が初めて演奏したのもホンキー・トンクであった。しかし私の演奏はひどいものであった。客達はそんな私を見て笑い、私はモーテルのベッドで枕が濡れるほど泣き、私に力を与えて下さいと神に祈った。そんな日々が幾晩も続いたが、その経験が私を鍛えた。」 ジェリーは、好きなミュージシャンとして、ジミー・リード、アルバート・キング、B.B. キング、ジョニー・ウインター、ロニー・マック、オーティス・レディング、サム・クック、ウィルソン・ピケット、エタ・ジェイムス、マヘリア・ジャクソン、エルビス・プレスリーらの名前を挙げている。 そんなジェリーの初リーダー作が、この「A Night with the Blues」である。ドラムに息子のトッド、ベースに弟のディーン、ピアノにランディ・リンハード、ハモンドB3にデニス・ウェイドというメンバーである。B3のデニスとは今回初めてプレイをしたらしいが、トッドとは15年間、他のメンバーとは25年以上一緒にプレイをしているという。なるほど息のあった演奏が繰り広げられている。 決して「全音楽ファンにアピールする傑作アルバム」といった類のものではないが、「こんな素敵な演奏と出逢えるから音楽ファンはやめられない」としみじみと思わせられる作品だ。 2000年作品 入手先 |
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