傀儡 (くぐつ) のよしなしごと 89 [ 2010年8月 ]


Rockabilly & Hillbilly / Big C Jamboree
(C) Jim St. Marie


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2010年8月5日(木曜日)

アメリカの電通・博報堂である「レオ・バーネット」の本社でSOBがCMオーディショ ン(社内プロモーションの一環)を受ける。60何階建てかのビルの半分以上に、約千人のレオ従業員が働く。まぁなんて立派な会社なんでしょう。オ レたちが通ったコンコースには、任天堂の"wii"が飾られていた。

まぁ、どうせビリー中心だし、ブルース=アジア系になり得ないので自分は期待しないが、関係者に勧められて連れて行ったウチの息子(5歳半)は、 テレビやカメラマンの被写体に何度もなってたそうで、そっちがよっぽど楽しみ。

昔オレの甥っ子は、母親と一緒に富士重工のCFに出演してた。「プロダクションには、親の収入より稼いでる子供もいるよ」という弟の悪魔の囁きが 蘇る。

SOBの演奏が始まって、「大手広告会社」を意識した全員(マイペースのモーズを除く)の笑顔と身振りにオレ自身が呆れていた。

「私が禁煙した成果を見てください!」

ビリーが心肺機能を発揮する見せ場。その時、汗だくになって高速の息継ぎをする大将の背後の壁に掛けられた、マルボロ・マンの看板がオレの目に 入った。

あの、この会社・・・ベストセラー・タバコのひとつであるマルボロを扱ってるようですが・・・。


2010年8月17日(火曜日)

この10年で6度目の「ぎっくり腰」だが、今回は腰が砕け散ったような症状。完全安静にして11日目、ようやく自力で立てるようになった。

実は8/2にスピーカー・ユニットを運んだ際、軽くやっていた。ずっと仕事は続いていて休めなかったが、周りも機材運びを手伝ってくれていたので 乗り切れると思っていたのに、5日(CMオーディションの日)の夜のロカビリーのフェスで、鍵盤をずっと叩きっぱなしだったのが響いたのかも知れ ない。

気を付けてはいたものの、6日にローザスで搬入中(スイス人バンドでオルガン音が必要だった)にピキッと悪化し、身動きできなくなった。男二人に 抱えられて車に乗せられ、何とかアパートにたどり着く。深夜の駐車場から杖代わりのバットと家人の支えで、よちよち歩いて部屋に入ったものの、 座っているのさえ、手で何かを支えていないと激痛が走り背筋が痙(つ)ってしまう。さすがに観念した。

いったん諦めてしまうと、家人任せの(腰以外)健康な寝たきり生活は快適で、普段はゆっくり観ることのできないケーブル・テレビの、「オン・デマ ンド」(再生・早送り・巻き戻し自由)の映画などを楽しんだ。なんせ人の助けなしに起き上がれずマックも触れない状態では、他に何もすることがで きないから仕方がない。
 
しかし一週間を過ぎると次第に不安が募ってきた。この稼ぎ時に、また、「楽しい夏」に一歩も外へ出られず、オレは一体どうなってしまうのだろう。

だから今度こそ用心して無理をする。明日からの仕事にはローディを手配して万全を期し、もう少しよくなったら腰痛体操もするし、腹筋に背筋も鍛え ましょう。だからお腰様、怒りをお鎮めください。


2010年8月28日(土曜日)

移転新装レジェンズでSOB。

ベースボール・キャップとTシャツに、ダボ・ダボ半ズボンをルーズに履いて、ビリーにも物怖じしない20代の黒人音響係。サウス・サイドの若者集 うクラブのDJとしか見えない。

はあぁ、バディ・ガイの息子・・・お前が新しいオペレーターかぁ。ヨロシクオネガイシマス。