2009年5月17日(日曜日) バディ・ガイのお店レジェンズで、ジェームス・ウイラーさんと演奏。 ジェームスさんは時おりキーボードを二人雇ったりする。つまりピアノのオレとオルガンの誰某。今日のオルガンはBで、オレとは対極の下手(客席から見て左側)に彼は陣取った。真ん中のジェームスの両翼にキーボートがハの字に並んだステージは、見た目には面白いかも知れない。 入口付近のカウンターには、オレの天敵(とっても間合い良く、スロー曲のピアノ・ソロ中に上がってきては唄い始めてくれる)であるバディ・ガイが座っていた。そしてスローなブルースにジェームスが気持ちを込めていたとき、やはりオレの前をのそのそと横切る影がある。 爆音を落とさずメリハリの利かないバンドなど、乞われても微動だにしないバディ・ガイ様にご光来賜るというのは、当然ウチらの音が気に入っている分けで、それはとても光栄なことに違いないのだが、右手人差し指を口元にやり、ピンと張った左腕を少し後方でパーにされると、バックは囁き声ですら聴こえるほどに音量を下げざるを得ず、御大将がご退席されるまでは要らぬ音を出さぬように気を遣わねばならない。まぁ、今回はオレのソロ途中でなくて良かったが、ジェームスは仕方なしの態(てい)。 ところが間もなくして、何をトチ狂ったのか、Bがちょろちょろっとオブリ(間の手)を奏で始めた。おいおい、お前は状況に慣れとらんな、彼の専属バンドでもみながじっとしているのに。それ以上音を大きくするなよとオレは念じていたが、ついに御大将の耳にも届くようなオブリが、それもありきたりのフレーズがぽこっと入った。途端にバディ・ガイがオレを振り返り(えっ?オレとちゃうがな!)"Sounds Gooodd!"と宣(のたま)って微笑んだ。再び(えっ??)。 バディ・ガイの直ぐ左横がピアノで、彼のずっと右手にオルガンです。あっちからのオルガン音がこっちからのピアノ音に聴こえましたか・・・。何かとっても複雑な気持ちだったので、休憩中、挨拶がてらに説明しようとしたら、尚も"Your sounds good!"と言われたので、誤解されたままにしておいた。
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